昨日の常識は今日の非常識

ホーキング博士の「疑う力」です。

めっちゃ名言じゃないですか?(興奮)

当たり前のことは当たり前じゃない。

目に見えることだけが存在するものじゃない。 

 

響きますねぇ〜笑

 

というわけで今回は

「他人の思考を自分の中に形作る方法」ということで書いていきましょうか。

 

 

このツイート、凄くわかりやすいです。

自分の感情を分析することで、他人の感情もわかるようになる。ということですね。

私はノートに書き出して考えるということが苦手なので、頭の中で同じことを行なっていたと思います。

というわけで、具体的にどういうことなのか組み立ててみましょう。

 

 

目次

 

 

【外側】負の視点から考える

わかりやすいので「ありがとう」で考えてみましょうか(笑)

感情のカテゴリーは「感謝」です。

 

まずは「ありがとう」を言って欲しかったのに、「ありがとう」と言ってもらえなかった具体的なエピソードを思い出します。

 

「ありがとう」を言ってもらえなかったエピソード

地下歩道を歩いていると、目の前の女性が定期券入れを落とした。慌てて拾い上げ「すみません、落としましたよ」と言って渡した。振り返った女性は怪訝な顔をして、何も言わず定期券入れを受け取るとスタスタと歩いて行ってしまった。

 

次に「ありがとう」を言ってもらえなくて心の中で何を考えたのか思い出します。

 

「ありがとう」を言ってもらえなかった時の心の中

慌てて拾い上げて、わざわざ定期入れを渡したのに失礼だな。悪いことをしたわけじゃないのに、そんな嫌そうな顔で見なくてもいいじゃないか。こんなことなら、定期入れなんか拾わないで放っておけばよかった。

 

さらに、心の中の声を細かく分けて、感情の名前を付けていきます。

 

細分化と名付け

失礼だな→「怒り」→「傷つき」

※怒りの感情は二次感情なので、何故怒りを感じたのかさらに考える

嫌そうな顔→「怖い」

放っておく→「後悔」→「悲しみ+嫌悪」

 

最後に「ありがとう」を言ってもらえなかったとき、私はどんな気持ちになったのか、まとめてみる。

 

どんな気持ちになったか

「ありがとう」を言ってもらいたかったのに、言ってもらえなかった。私は「傷ついて」「怖くて」自分のやった行為を「後悔」した。

 

 

【外側】正の視点から考える

次は視点を切り替えてみましょう。

 

「ありがとう」を言ってもらうつもりはなかったのに、「ありがとう」と言ってもらえた具体的なエピソードを思い出します。

 

「ありがとう」を言ってもらえたエピソード

外出中の母から洗濯物をしておいてと頼まれた。洗濯物をネットに入れ、お風呂からお湯取りをして、乾いた洗濯物を畳んでタンスに入れた。洗濯が終わった音がしたので、濡れた洗濯物を干していった。帰ってきた母から「ありがとう」と言われた。

 

「ありがとう」を言ってもらった時の心の中

わざわざ「ありがとう」って言う必要ないのに。だって、母さんは外出していて忙しかったんだもの。家にいる私が洗濯をするのは当然のことでしょ。でも、母さん喜んでるみたいだし、頑張って洗濯して良かったな。

 

細分化と名付け

必要ないのに→「困惑」

当然のこと→「責任」

良かった→「嬉しい」

 

どんな気持ちになったか

「ありがとう」を言ってもらうつもりはなかったけど、言ってもらえた。最初は「責任」があったから「困惑」したけど「嬉し」かった。

 

 

【内側】負の視点を考える

さらに視点を内側に切り替えてみましょう。

 

「ありがとう」を言うつもりはなかったのに、「ありがとう」と言わされた具体的なエピソードを思い出す。

 

「ありがとう」を言わされたエピソード

小学校2年生のとき、母とおばあちゃんの家に行った。お菓子を出してくれたけど、私は別にあるもう一つのお菓子が欲しかった。「お菓子もらったらどうするの?ありがとうでしょ?」欲しくない方のお菓子をもらったのに、お礼を言うのは嫌だった。お母さんの眉間にしわが寄ってる。怒る前の顔だ。仕方なく「ありがとう」と言った。

 

「ありがとう」を言わされた時の心の中

なんで「ありがとう」なんて言わなきゃいけないの?私はもう一つのお菓子が欲しかったのに。でも、お礼を言わなかったらお母さんに怒られる。怒られるのは嫌だな。

 

細分化と名付け

いけないの?→「怒り」→「傷つき」

欲しかった→「悲しみ」

怒られる→「恐怖」

 

どんな気持ちになったか

「ありがとう」を言う気はなかったのに、言わされた。私は「恐怖」で自分の行動を制限されたようで「傷ついて」「悲しくなった」

 

 

【内側】正の視点を考える

内側の視点を切り替えてみます。

 

「ありがとう」を伝えるために、「ありがとう」と言った具体的なエピソードを思い出す。

 

「ありがとう」を言った具体的なエピソード

私はお菓子の袋を上手に開けることができない。食べたいのに開けられないでいると、母が「開けようか?」と言ってくれた。お菓子の袋を開けてくれた母は、食器棚から皿を出した。食べやすいようにお菓子を皿に出してくれた。私は「ありがとう」と言った。

 

「ありがとう」と言った時の心の中

お菓子の袋を開けられなくて困っていたから助かった。わざわざ皿にお菓子を出してくれるなんて。私が袋からお菓子を出して食べるのが苦手だってわかってくれてるんだな。さすが母さん。

 

細分化と名付け

助かった→「安心」

~なんて→「嬉しい」

わかってくれてる→「幸福」

 

どんな気持ちになったか

私は「安心」と「幸福」で「嬉しく」なったので、「ありがとう」と言った。

 

 

全ての視点と応用を考える

やっとここまできましたね(笑)

視点を【外側】⇔【内側】、正⇔負と多角的に分析しました。

ここまで来て初めて、他人の感情を考えることができると思います。

 

少し並べ変えて、さらに感情をまとめてみます。

 

【外側】負の視点:「ありがとう」を言われなかった

「傷つき」「怖い」「後悔」→『悲しい』

【内側】負の視点:「ありがとう」と言わされた
「恐怖」「傷つき」「悲しみ」→『落胆』

【外側】正の視点:「ありがとう」を言われた

「責任」「困惑」「嬉しい」→『受け入れ』

【内側】正の視点:「ありがとう」と言った

「安心」「幸福」「嬉しい」→『感謝』

 

では、他人の思考(相手)を織り交ぜつつ、自分の中に形作ってみましょう。

「ありがとう」を言われなかった相手は『悲しい』と思っているかもしれない。自分は思ってもいないのに「ありがとう」と言うのは『落胆』した気持ちになるけど、「ありがとう」と言うことは『受け入れて』もらえる。それならば、『感謝』の気持ちを伝えよう。

 

さらに踏み込んで、私はあるエピソードを思い出し『落胆』した感情を変換する。

 

小学校2年生のとき、とても仲の悪い男の子がいた。毎日喧嘩ばかりしていた。ある日、男の子の机から消しゴムが落ちて、私の足元に転がってきた。仕方なく拾って渡してあげるとふてくされた顔で「ありがとう」と言ってきた。仲が悪く、気にくわない相手がお礼を言ってくるとは思わなかった。私にお礼を言うのは嫌だっただろうに。それでも「ありがとう」と言われて、私は『嬉しく』なった。

 

ここまで出すことができれば完璧です!

「ありがとう」は周りも自分も『嬉しく』させることができる言語に変換されました。

 

例え話が苦手なASDですが、自分の中にある具体的なエピソードに沿って感情を考えることができると思います。論理的な思考ができる分、パターンをインプットすることができれば、それだけ沢山の感情を知ることができるのではないでしょうか。

 

 

最後に……

なんだか長くなってしまいました。

私は営業をやっていたのと、母と弟が定型なので、感情に関しては色々教えてもらいました。なので、膨大なパターンがインプットされています(笑)

今回大切だなと思っているのは、具体的なエピソードを自分の中から引き出して考えるということです。そうすることで、自分の気持ちに気が付けるだけではなく、相手の気持ちを理解する一歩にもなるんじゃないでしょうか。

組み立てて説明したので難しく感じるかもしれませんが、実際はもっと簡単に頭の中で手早くできる(と、思います汗)

相手の気持ちになって考える。というのはこういうことなんじゃないかと思うんです。

形のない気持ちを想像するのではなく、自分の中で形のあるものを引き出し、それに沿って考えてみる。

もちろん、ASDだけでなく定型の皆様にも試してみて欲しいです。思ってもみなかった自分の感情に気が付くことができるかもしれません。

もし、パートナーがいらっしゃる方なら、お互いにこういう視点で物事を考えていくとすり合わせがしやすくなるかもしれませんね。(もちろん、大変な労力がかかりますが)

いかがだったでしょうか?

とりあえず、今回はここまでです。