TPOのパターンを増やす、パターン認識

社会性の障害、解決編です。

記憶力の高いアスペルガー症候群パターン認識によって行動や考えを広げることが出来ます。今回はそのことについて書いていきたいと思います。

 

 

 パターン認識とは?

人間付き合いをする上で、パターンとして行動に組み込んでしまうことで人間関係を円滑にする方法です。要は「この表情のときは、こう行動する」「この場面ではこういう発言をする」というような具合です。

すぐに身につくわけではないかもしれませんが、一つずつ着実にやっていくことで、パターンが増えていくと思います。パターンが多くなり、成功体験を増やすほど、円滑な人間関係を築くことができます。

今回は、私が覚えているパターンをいくつか紹介していきたいと思います。

 

《挨拶》社会的な場の雰囲気を読み、それにふさわしい行動をとる

1.時間帯による適切な挨拶

朝ー5:00~12:00  『おはよう・おはようございます』

昼ー12:00~15:00 『こんにちは』

夜ー16:00~5:00  『こんばんは』

挨拶は例えば、「おはよう」を通して、表情や状態の確認、次の会話に繋げるための導入として必要となります。親しい人や職場の人などには挨拶するようにします。

2.立場による言葉の使い分け

《基本》

年上ー敬語、ですますの丁寧語を使う

年下ー敬語、ですますの丁寧語を使わない

《仕事》

上司ー敬語、ですますの丁寧語を使う

部下ー敬語、ですますの丁寧語を使わない(使わなければいけない職場もある)

取引先のお客様ー敬語、ですますの丁寧語を使う(年上、年下は関係ない)

誰が上司で誰が部下かわからない場合は職制表などを確認する。

《親類》

両親ー敬語、ですますの丁寧語を使わない

祖父母ー敬語、ですますの丁寧語を使わない(ただし、関係による。両親に確認)

親戚ー敬語、ですますの丁寧語を使う

親戚に関しては、《基本》の年上、年下も参照。敬語、ですますの丁寧語を嫌がる年上の親戚がいる場合もある。両親に確認する。

 

他人が自分とどれぐらいの距離感があるのか、把握することが大切だと思います。私の場合、カテゴライズとしては両親(近い)-祖父母(中間)-親戚(遠い)と大まかに記憶してます。

 

《強化行動》相手の気持ちを察して、相手をよい気持ちにさせる

『気持ち』は見えませんが、『態度』はよく見えます。

『態度』に沿った行動パターンを組み込むことによって、『気持ち』を察したような行動ができると思います。

まずは、他人がどのような行動のとき、どういうことを考えているのか大まかに分類していきたいと思います。

 

1.表情による見分け

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【笑顔】

目じりが下がる、目が細くなる、口角(口の両端、もしくは片端)が上がる

嬉しいとき、楽しいとき、挨拶するとき、営業スマイル、などの表情

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【困った顔】

眉毛が少しだけ額の中央による、口元は笑顔よりも微妙に口角が上がる、表情が固定して変化しない

何か言い出せないとき、迷惑だなと感じているとき、などの表情

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【怒った顔】

眉毛が額の中央による、目が細くなって吊り上がる、口がへの字になる

イライラしているとき、叱るとき、怒りが爆発したとき、などの表情

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【不愉快そうな顔】

怒った顔よりもより眉毛が額の中央による、目が細くなる(一瞬でそうなることが多い)、首が少しだけ傾く(右、左どちらか)

イライラを隠そうとしているとき、虫など嫌なものを見たり触ったとき、難しい文章を読んだり、考えているとき、などの表情

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【無表情】

眉毛が並行でうごかない、目線が固定されている、口元が並行、表情だけでなく、身体も動いていないことが多い

思考停止しているとき、何も考えずにボケっとしているとき、などの表情

 

2.態度による見分け

【楽しいとき・うれしいとき】

笑顔のとき、しゃべるときの声のトーンが上がる(声が高くなる)、身を乗り出す、身振り手振りが大きくなる

【迷惑だなと感じているとき】

困った顔をする、相槌(うん、そうだね、など)がなくなる、もしくは遅くなる、後ずさる(距離を取ろうとする)、目線がゆらゆら移動する(いろいろなところを見てる)

【イライラしているとき】

怒った顔をする、貧乏ゆすりをする(人による)、にらみつけてくる(目線が強くなる)、声のトーンが下がる(声が低くなる)

【考え事をしているとき】

無表情になる、身体が動いていない、一点を見つめる(目線が動かない、焦点が合っていない)

 

『態度』を察するパターンとしては大まかにこんな感じだと思います。

次は、相手の態度によって『自分がどう行動するか』です。

 

《非言語キュー》視線や身振り手振りで気持ちを伝える

1.視線、アイコンタクト

目を合わせるには、大体のタイミングがあります。ジーっと見つめたりする場合は怖かったりすると思いますので、相手を一瞬(2秒~5秒)見るだけで大丈夫です。タイミングが合うと、丁度相手と目が合います。

【タイミング】

相手が話し終わった瞬間。会話に『。』がつくときです。例えば「今日は天気がいいですね。」(チラッ)という具合です。同様に、自分がしゃべり終わったとき。「そうですね。」(チラッ)という具合です。

また、同意や確認を取ろうとしているとき。例えば「こちらの書類はこうなりますが、よろしいでしょうか。」(チラッ)

ちょっと上級編ですが、会話が盛り上がっている瞬間。「聞いて聞いて!今日すごいことがあったんだけどさ!!(チラッ)なんだと思う??それがね…」

【目の表情】

笑った顔、怒った顔などにもありますが、目が細くなったり、眉毛がよったりします。自分の表情もそのようにして相手に伝えることができます。

相手に同意したり、目で「そうだね」と伝えたいときは、まっすぐ(目の動きを変えず)に相手を見つめてみましょう。

 

視線を合わせる最大の意味は『あなたの話を聞いてますよ』という意思表示です。目は口ほどにものを言うともありますので、言葉以外の伝達方法として使えます。

 

2.身振り手振り

これは、やってはいけないことの方を紹介します。なぜなら、こちらが相手の態度を観察しているのと同じく、相手もこちらの態度によって気持ちを察しているからです。

【腕を組む】

腕を組むのは、相手と自分の間に壁を作りたいという欲求です。会話をしている最中に腕を組んでしまうと、偉そうな態度に見えてしまいます。

【足を組む】

足を組むのはリラックスしている証拠です。両親や友達、妻など気の置けない相手に対しては足を組んでも大丈夫です。それ以外では腕を組むのと同じで、偉そうな態度に見えてしまうことがあります。

【貧乏ゆすり】

貧乏ゆすりには、気持ちを落ち着かせたり、考えを深めたりする効果があります。一人でいるときにはやってもいいかもしれません。人がいるときにはカタカタと音がしてしまいます。

【のけぞって座る】

座って話している最中、のけぞって座ると、偉そうな態度に見えます。話の内容に興味がなかったとしても、身を乗り出して話を聞くことで『あなたの話を聞いていますよ』という態度に見えてきます。(実際は聞いていなくても)

【じろじろ見つめる】

相手のことを観察しながら話したいので、じろじろ見つめてしまいたくなるかもしれません。人間、見つめられると恥ずかしくなってきてしまうので(恋人には有効だと思いますが(笑))ほどほどにします。

 

最後に……

結局は、パターンを覚えて実践あるのみ!!

というところが大きいのですが……。

私が覚えているパターンだけでもこれだけの量がありますが、まだまだほんの一部にすぎません。それぐらい、会話をするためにたくさんの労力と思考をフル回転させています。

一番いい方法は、周りの人に協力してもらい、たくさんのパターンを覚えていくことです。一人で行う場合には、ドラマや漫画、アニメなどの場面をみることも有効だと思います。キャラクターはこの場面でこういう表情をして、こういうやり取りをするのだと。学べることがたくさんあります。学んだら、実際使ってみて、これは良い、これは難しい、など仕訳けてみるといいんじゃないかと思います。

 

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