社会性の障害
自閉症に見られる「三つ組」の障害について、解説していきたいと思います。
以前書いたブログにもさらっと書いてあるので、良かったら読んでみてください。
アスペルガー症候群に最も向いていない仕事【営業】・最も向いている仕事【販売】と推察
目次
社会的技能 ソーシャルスキルの欠如
簡単に言ってしまします。『人間社会で生きていくための力がない』ということです。
こう書くと、人でなしのようですが、外から見たらそう見えるのではないでしょうか。とは言いつつも、本人としては不便を感じていないことがほとんどです。何故なら、人間元からなかったものは知覚すらできないからです。言い方が悪いかもしれませんが、触覚がない人に対して、肌触りや触り心地を説明できないことと同じような感じかもしれません。
大人のアスペルガー症候群、もしくはグレーゾーンと呼ばれている人たちは『生きにくさ』を感じているかもしれません。その理由は、このソーシャルスキルの欠如が一部、もしくは限定された状況で起こるからだと感じます。
非言語的ソーシャルスキル
ジェスチャー、アイコンタクト、表情、のような、『言葉を使わないやり取り』のことを言います。【社会性の障害】は、この能力が欠如していることによって起こります。
【A 非言語的ソーシャルスキル】
①挨拶ー社会的な場の雰囲気を読み、それにふさわしい行動をとる。
②強化行動ー相手の気持ちを察して、相手をよい気持ちにさせる。
③相互的行動ー友達に親愛の気持ちを行為で表す。
④協力行動ー遊びや仕事で協力する
⑤非言語キューー視線や身振りで気持ちを伝える。
⑥歩調を合わせるー他人と歩調を合わせ、せかしたり無理強いをしたりしない。
⑦社会的フィードバックへの感受性ー社会的な相互作用の後、どのようにふるまうかを知っている。
⑧他人の行動の理解ー相手の行動の意味や意図を理解できる。
⑨自分の影響力の認知ー自分が他人からどのように思われているか、また自分の存在がどのような影響を与えるかを知っている。
⑩他人との争いの解決ー攻撃的にならずに、他人との争いごとを解決することができる。
⑪場の支配ーその場を強く仕切らずに、仲間と関係を持つことができる。
⑫社会的回復力ー人間関係で失敗しても、回復することができる。
⑬自分の売り込み能力ー仲間に受け入れられるように自分のイメージを作り上げることができる。
(『アスペルガー症候群と学習障害』榊原洋一著、講談社+α新書より)
書いてみて思いました。やっぱり私はこの非言語的うんちゃらかんちゃらがとても苦手です。(営業としては致命的ですね(笑))
言葉を使わないコミュニケーションのやり取りだけで、これだけの法則があります。高機能自閉症やアスペルガー症候群などの、知的障害のない自閉症は一見すると上記の行動ができているように見えることがあります。この『一見するとできている』というところが『生きづらさ』になってきてしまうと思います。
4つのタイプ
アスペルガー症候群によく言われる4つのタイプについて、さらっと解説します。はっきりと分かれているとは限りませんし、成長によって変わることもありますが大まかに分けるとこんな感じです。
【孤立型】
このタイプは幼児期の小さな子供に多くみられるパターンです。他人と協力して何かを行うということをしません。大人と遊んだとしても、遊具と同じような考えを持って接します。自分以外の人間が感情を持っていると理解していないため、周りからは「自分勝手」と思われます。
【受け身型】
このタイプは他人との関りを避けたりすることがありません。とにかく受け入れます。とても従順で、言われたことに従います。しかし、自分から接触を求めていくことはありません。また、他人から要求されたことに対して返答するということがないと感じます。受け流すというよりは通り過ぎるという印象です。周りからは「面白味のない人」と思われます。
【積極・奇異型】
このタイプはよくしゃべります。自分と近しい間柄の人に対して、相手の関心や嫌がっていることなどお構いなくしゃべり続けたりします。一見、積極的に人と関わっているように見えるため、わかりづらいことが多いです。しかし、その場に不適切な会話だったり、遠慮がなかったりするため「空気の読めない人」と思われます。
【形式ばった大仰な型】
このタイプはとても丁寧に話します。家族に対しても敬語だったりする人がこれに当たります。過度に礼儀正しく、誰に対しても丁寧に接しますが、場面によって対応を変えるということができません。そのため「堅苦しい人」と思われます。
以上のタイプはいずれも明確に分けることはできません。重なり合っていたり、重度であったり、タイプが変わったりすることもあります。
ソーシャルスキルを磨こう!
というわけで、社会性の障害、解決編です。
これら3つを駆使して、『常識的な変な人』を目指していきたいと思います。
最後に…
やや、どんどん書きたいことが増えてきて楽しいやら何やら(笑)
営業としては致命的!と書いていましたが、営業成績は悪くなかったですし、周りとの人間関係もそれなりに良好だったと思います。しかし、悩むこともとても多く、心理学の本を何冊も読んだりして勉強しました。
色々なことに気づかなかったらよかったなって思う反面、最近では気づいたおかげで未来は明るいな!と前向きにとらえています。
私の場合、定型の母に大分助けられているため、『なるほど!こうすればいいのか』と発見することができて、ありがたい限りです。その発見をたくさんの人に読んでもらい、アスペルガー症候群、定型発達、お互いに生きやすくなってくれたら…とっても嬉しいなと思います。