夢の中で出会った以前の私
私は眠りがとても浅いので、毎晩様々な夢を見ます。
内容を覚えていることが多いので、起きてから一瞬、現実と夢の区別がつかないほどです。
最近、過去の自分を振り返ることがあるのですが、当時のことを客観的に思い返すことはできても、どんな気持ちだったのかまでは思い出せません。
今日は夢の中で、ASD全開だった頃の気持ちを味わうことになりました。
面白かったので、そのことを書いていこうと思います。
〜夢の中の話〜
私は大学生。
単位や就活の悩みが常に心の中を占めていた。しかし、最近は両親のことが嫌いで仕方がない。そのことが頭を悩ませる一番の要因だった。
自室のベッドに横になり、あれもしなきゃ、これもしなきゃ、とやることを考えていると
「おやすみ」
ドアの向こうから母の声が聞こえた。
おやすみ、と言おうと口を開きかけると
「遅くまで起きてないでさっさと寝なさいよ」
続けて母が言った。
寝室のドアが閉まって、母が寝てしまったのを感じる。
私は腹が立った。
最近「キチンと挨拶をしなさい!」と怒られることが多かったのだ。
バイト先や企業の訪問に行った際にはしっかりと「お疲れ様です」「おはようございます」「お先に失礼します」と挨拶をしていた。
だから、何故家に帰ってまで家族に「おはよう」や「おやすみ」を言わなければならないのか不思議で仕方がなかった。
私は「おやすみ」を言おうとしたのに、それを遮られた。さらには私のことを無視して寝室に行ってしまった。
「おやすみ」を言うことが私にとって、どれだけ大変なことか知らないくせに。
〜場面変わって朝になる〜
起きた私は顔を洗うために洗面所に向かう。
「おはよう」
母の声が聞こえた。
昨夜は無視したくせにという思いが強く、私は無言を決め込んでいた。
そもそも最近は「こういうことされたら嫌でしょ?だからあんたもそういう行動はやめなさいよ」という理由で意地悪をされる。
その仕返しだ、と思い
「なんで無視するの!?朝はおはようでしょ!」
と喚き続ける母を無視する。
そっちだって嫌なことをされたら怒るくせに。なんで私には嫌なことを仕掛けて、正当化しようとするんだよ。
ムカムカとした思いを抱きながら、私は家を出た。
〜夢の中の回想終わり〜
目が覚めまして、ビックリしました。
あちゃー💦って感じですね笑
夢の中では「大学生の自分」になりきっていたので、違和感はなかったのですが…
当時はこんな感じの心境だったなと思い出しました。
母はドアの向こうの私に「おやすみ」と声をかけました。私が「おやすみ」と言おうとして口を開きかけたなんて見えないですよね。
決して無視をしたわけではないのですが、私は私の目線しかなかったのでそれに気がつくことができなかったんです。
それに「遅くまで起きてないでさっさと寝なさいよ」を私は『命令』と取っていました。今ではわかります。これは『心配』ですね。
だから「(早く寝るかはともかく)ありがとう、おやすみ」と伝えれば良かったんだなと思います。
外では挨拶をしているのに、家ではしない。
これはASDには外モードと内モードがあって、外モードのときはかなり気を遣って話しているので疲れます。それなのに、家に帰っても内モードになることすら許されないのかと腹を立ててしまったんですね。
家族なのですから「おはよう」「おやすみ」を介してコミュニケーションを取った方がいいですよね。外モードというレベルまで自分を引き上げて気を遣う必要はないのですが…程度の調整は今でも難しいところです。
それから「こういうことされたら嫌でしょ?だからあんたもそういう行動はやめなさいよ」というところを、私は悪意のある『意地悪』と捉えていました。
今なら「行動を改めた方がいいよ」という『アドバイス』と受け取ることができます。
こう考えると思うところがあります。
当時の自分は本当に悩ましいことが多く、苦しんでいたのですが…外からの受け取り方が悪くて傷ついていたんだなと思います。
大学生の私。大丈夫だよ。今では人の気持ちも察することができるし、あなたがなりたかった話上手で聞き上手な自分になれる。これから先、もっともっと大変なことが起こるけど、それさえも乗り越えていけるから大丈夫。心配しないで、そのまま進んでいくといいさ。
と、夢の中に置いてきた大学生の自分に語りかけずにはいられませんでした。
日常の小話、今回はここまでです。