想像力の障害

自閉症に見られる「三つ組」の障害について、解説していきたいと思います。

以前書いたブログにもさらっと書いてあるので、良かったら読んでみてください。

アスペルガーに最もむいてない仕事【営業】・最も向いている仕事【販売】と推察

【気持ちがわからない、伝えられない】問題について

 

 

目次 

 

 

想像力とはどういう意味?

まずは言葉の意味から整理してみます。

想像力とは、『具体的にイメージすること』です。大まかに2種類。過去の事柄をイメージする『再生的想像力』。新しい像を生み出す『創造的想像力』とがあります。

また、『具体的』というところをもう少し細かく解釈してみます。ここで言う具体的は、『本物のように』と置き換えることができます。

 

分類として例えると

1.物質的ー物、風景、建物、人など写真で像を結ぶ映像

2.精神的ー心、感情、思想など

3.時間的ー過去、未来 以前あったこと、これから起こるであろうこと

4.次元的ーあの世、宇宙の果て、未知の世界、など

 

目の前に存在しないものを『本物のように』イメージで作り出す力。

これが、【想像力】です。

 

では、想像力の障害というのはどのようなものがあるのか紹介していきたいと思います。

 

 

状況への認知の歪み

他者と自分の体験を共有するためには【想像力】が必要です。

自分が体験したことのない事柄を『本物のように』再現する能力が必要です。しかし、その能力が欠如していると、『共有、共感』といったことの他に、『反省する、予測する』ということが困難になります。

 

主な原因としては下記の3つが挙げられると考えられます。

1.「心の理論」障害

2.中枢性結合の弱さ

3.実行機能の障害

 

この3つについて解説していきます。

 

 

「心の理論」障害

心の理論とは、心理化とも呼ばれるものです。

それは、内的、外的に影響を及ぼします。

 

【他者に対して】

相手の気持ちや考えを理解することが難しく、適切な関係を築くことができない。また、関係を維持することが困難。

【自己に対して】

自分の感情を認知できない。怒っているのか、悲しんでいるのか。また、その感情の理由を理解することが困難。

 

このため、怒りだして暴言を吐いたかと思えば、次の瞬間にはケロっとしている。何でもないことなのに、突然パニックになったり、反応しなくなったりする。というようなことが起こります。

 

 

中枢性結合の弱さ

人の話を聞くのと、言うことを聞くのは違うでも書きました。

これは、細かい部分を組み立てて、全体を想像し、完成した物事を理解する能力です。

例えば、スケジュールを立てたり、手元にある状況から未来には何が起こるかということを予測したりということが苦手です。

また、細かい部分に注目してしまうということは、興味の狭さやこだわりといった特性にも繋がります。

話が点と点で繋がっていない、認識がすり替わっている現象などは、この機能が弱いことで起こるのではないかと思います。

 

 

実行機能の障害

これは、意思決定をする能力、企画して実行する能力、効率的に行動する能力など。自発的に、将来のことを想像して、実行に移す能力の障害です。

このため、指示がなければ行動できなかったり、言いっぱなしで実行できなかったりします。

また、自分を客観的に分析したり、どう感じているのかということを振り返ることが出来ません。このため、過去の失敗を反省し、今後同じことを繰り返さないといった学習が困難です。

 発言に責任感がない、軽々しい発言をするというのは、この機能が弱いことで起こると考えられます。

 

 

3つの能力を向上させよう!

というわけで、想像力の障害、解決編です。

追々書いていこうかと思います。

1.「心の心理」を理解する

2.中枢性結合を理解する

3.実行機能を発達させる

 

 

最後に…

想像力がもたらす効果は絶大ですね。

単に小説を読んで想像するとか、そういうことだけではなく、もっと大きくこの能力が使われているのだなと感じます。

以前、私が行っている想像は写真の切り貼りのようなものだと書きました。

実は、このことに気が付いたのはかなり最近のことです。

また、この記事を書いていて、自分が思ったよりも想像力とは色々なところで使われているのだなと思いました。

次回は、解決編について整理していきたいと思います。